外資系コンサルのエリートマネージャーであり、完璧な母である水原美紀。一人息子・弘之の危機を救うため、彼女は狡猾な大学生たちの元へと乗り込む。しかし、それは理知的な彼女のプライドを粉砕する、おぞましい罠の始まりだった。自己犠牲という免罪符を盾に、若い肉体の暴力的な快楽に調教されていく美紀。理性が狂わされていく中、さらに過激さを増す凌●。その果てに、彼女を待ち受ける究極の背徳とは――?
総字数 約25,000字
〈冒頭 約2,000字〉
ヒールの乾いた音が、静まり返ったオフィスの廊下に規則正しく響き渡る。
水原美紀は、鏡のように磨き上げられたガラスパーテーションに映る自分の姿に、冷徹な視線を走らせた。
仕立ての良いチャコールグレーのタイトなパンツスーツに、胸元が美しく開いたシルクの白いブラウス。細く高いピンヒールが、彼女の引き締まった長い脚をさらに強調している。
年齢は四十二歳。しかし、その肌は瑞々しいハリを保ち、外資系コンサルティングファームのシニアマネージャーとして培われた理知的な美貌は、同年代の女性とは一線を画す「強い女」のオーラを放っていた。
「私の手で、あの〇キどもを徹底的に叩き潰してやるわ」
美紀は低く、しかし確信に満ちた声でそう呟いた。
美紀は若くして夫を病気で亡くし、それ以来、一人息子の弘之を女手一つで育て上げてきた。男社会のビジネス界で、幾多の障壁をその勝気なプライドと圧倒的な実力でねじ伏せてきた美紀にとって、一人息子の弘之は何よりも大切な宝物であり、自分が何があっても守り抜くべき「聖域」だった。
その弘之が、ここ数週間、明らかに様子がおかしかった。
青ざめた顔で、何かに怯えるように家の中でも常にスマートフォンを気にしている。大学に行くのも億劫がり、夜中に自室から押し殺した啜り泣きが聞こえてくることもあった。
過保護と言われようが、美紀は息子を愛していた。そして何より、自分の完璧な家庭のコントロールが乱されることを許さなかった。
異変の決定的な証拠を手に入れたのは、昨夜のことだ。
弘之がシャワーを浴びている隙に、彼のスマートフォンの通知が何度も激しく鳴り響いた。不審に思った美紀が、画面を盗み見ると、そこに表示されたメッセージの数々は、彼女の血を瞬時に沸騰させるに十分なものだった。
『明日までに300万用意しろ。さもなければお前の人生を終わらせる』
『おい弘之、返事がないってことは、大学中にあの屈辱的な動画をばら撒いてほしいんだな?』
添付されていたのは、大学のサークル室らしき薄暗い部屋で、下着姿にされ、床に這いつくばって怯える弘之の写真。そして、彼を取り囲むようにして冷酷に笑う若者たちの姿だった。
さらに弘之のアカウントからは、「お願いします、もう少しだけ待ってください」「北沢さん、川本さん、母さんには言わないで」と、悲痛な懇願のメッセージが送られていた。
「私の弘之を、よくもここまで……」
怒りのあまり、美紀はスマートフォンの画面を握りつぶさんばかりに凝視した。
相手は、弘之が「親身になって大学の相談に乗ってくれている信頼できる友人だ」と事あるごとに話していた同級生の北沢、そして実行役の川本という男だった。
息子の人の良さにつけ込み、サークルの不正な金銭トラブルの保証人に仕立て上げ、多額の金を脅し取ろうとしている。その構図はすぐに理解できた。
「たかが二十歳そこそこの〇キが……。社会の厳しさも知らない甘ちゃんが、私の息子に手を出したことを、骨の髄まで後悔させてやる」
美紀はすぐさま、弘之のスマートフォンを使って彼らに連絡を入れた。弘之になりすまし、「親に頼んで金を用意した。日曜日の夜、母の会社の役員室で受け渡す」という嘘の約束を取り付けたのだ。
もちろん、弘之には何も話していない。母親である自分が、この自慢の知性と、培ってきた社会的地位の力をもって、裏で速やかにこの害虫どもを駆除する。それだけの話だ。
日曜日、午後七時。
休日のオフィス街は人通りが絶え、美紀が勤務する超高層ビルのオフィスフロアは、必要最低限の非常灯だけが灯る静寂に包まれていた。
美紀は、夜景が一望できるガラス張りの役員会議室の、重厚な革張りの椅子に深く腰掛けていた。
テーブルの上には、彼女の息がかかった優秀なIT調査会社から緊急で取り寄せた、北沢と川本の個人情報、彼らが関与している不当な金銭取引のログ、そして警察庁の知人から手に入れた違法グループの関与を示す捜査資料が、美紀のスマートフォンの画面に整然と並べられていた。
カチャ、とフロアの自動ドアが開く音が、静まり返ったオフィスに響いた。
続いて、静かな、しかし遠慮のない足音がこちらに近づいてくる。
「失礼しまーす。へえ、すごいところだな」
ドアが開き、二人の若者が入ってきた。
一人は、知的な眼鏡をかけ、仕立ての良いカジュアルシャツを着こなした、優等生然とした若者。
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